卒業生の活躍

【卒業生インタビュー】1期生 横井優樹さん

2023年9月2日、大学在学中に起業をされた1期生の横井優樹さんにお話を伺いました。

取材:有言会広報委員

1期生 横井優樹さんプロフィール

  • 1999年7月生まれ

  • 南山小学校1期生として入学

  • 南山中学校・高等学校男子部を経て、南山大学人文学部日本文化学科へ進学

  • 2019年11月 大学2年生の時に「株式会社好生館プロジェクト」を設立

  • 現在は大学休学中、2024年春より復学予定


    「南山にずっと小学校の時からお世話になっています。名古屋生まれ名古屋育ちでこの辺りが地元っていう感じですね。」

インタビュー

Q先ずは、南山小学校で尊敬している先生を教えてください。

いろんな先生がいらっしゃり、小学校の先生には思い入れが強いです。特に担任だった柴田先生にはお世話になりましたね。いつも気軽に話しかけてくださいました。友達と𠮟られた時に、共感もしながら同じ目線に立って真剣に𠮟ってくださいました。聖歌隊に入っていたので、元校長の西脇先生には大変仲良くしてもらいました。朝早く学校へ行って、よくおしゃべりしていた記憶があります。西脇先生は、どんな人の悩みにも寄り添って聞いてくださいました。

Q得意な科目と苦手な科目について教えてください。

国語が好きで、作文の時間が生き甲斐でした。何十枚と書くタイプの子供でした。算数は全然ダメでしたね(笑)。日本文化学科なので、国語は役に立っていると思いますね。

Q学生時代に心に残る思い出はありますか?

小学校では委員会活動が思い出深いです。5年生の時に、食育委員会と宗教委員会で委員長をやらせていただきました。委員会では、その場のいきなり議論ではなく、事前に資料を作って、準備をしてやっていました。自分でやりたいことをそこで形にさせてもらうってことや、委員長同士で議論することで刺激を受け、学ぶことも多くいい機会でした。

また、幼稚園の時からピアノを習っていたこともあり、6年生の時に合唱の指揮をさせてもらいました。その後、男子部の合唱コンクールでは、中1でベストコンダクター賞をとりました。小学校での経験が中学でも活きたのはとても良かったです。

どちらかというと勉強以外の活動の方が好きな私を、自由にやらせて任せてくれた小学校の存在がとても大きく、今に繋がっていると思います。

休日には、小6の時に友達12人を集めて『ダースの旅』と名付けた日帰り旅行を3回企画しました。バスを貸し切り、徳川美術館や名古屋市政資料館、ホテルなど名古屋市内を巡りましたね。だんだんと参加者が増えて面白かったです。

先生方には若干知られていたと思うのですが、温かく見守ってくださっていたことに感謝です(笑)

Qそれでは起業について伺っていこうと思います。起業はいつから考えていたのですか?

起業は、”直前まで意識してなかった“というのが答えになります。自分でやるとか、そういうこと自体は面白いなって思ったことはありますが、自分が起業なんて 1ミリも思っていなかったです。

Q起業の経緯を教えてください。

大学1年生の冬に長期インターンシップをする機会がありました。人材派遣会社に所属し、岐阜県の製造業の企業様に派遣社員として、採用広報のX(旧twitter)の運用に携わりました。役員の方にフィードバックをもらったり、自分がやることでフォロワーが増えたり、反応が生まれたり、面白いと感じるいい経験をさせてもらいました。

その後、所属していた人材派遣会社の方のお力添えもあり、自分で考えた「仮面就活オフ会」というイベントを企画・開催することになりました。ヴェネチアンマスクをつけて、企業も学生もお互いに企業名や大学名を伏せた状態で会っていただくことで、企業のネームバリューや大学のレベルなどの先入観を排除して、お互いの思いとか大事にしていること、理念などを理解してもらう。その上で、企業と学生の所属を明かすことで新たな気づきやマッチングの可能性があるのではないかと思い、このイベントを始めました。

そんなイベント企画を繰り返すうちに、一緒に企画していただいていた人材派遣会社の方から、株式会社柳橋総合開発の水谷社長とのご縁をいただきました。水谷社長に自身の想いを語っていたところ、「会社としてやってみてはどうか。」と後押しをいただき、起業する運びとなりました。振り返ると、やりたいことを小学校や中高の枠の中で形にしてきたことはあったのですが、意外と手堅くしていた部分もあり、せっかくなら一歩飛びぬけて、踏み出す機会があるならそれを最大限に活かしてやってみようと思い、企業と学生をつなぐ事業に取り組む会社を始めました。

Q起業後はどんなお仕事をされていますか?

現在は、学生・若者のチカラを活かした人材サービス・広報・マーケティングの領域で事業展開をしています。IT系企業や製造業での長期インターンシップのコーディネートや大手企業の採用広報向けのSNS運用や広告、留学生向けのレクリエーション企画など、幅広いプロジェクトをプロデュースしています。

後で分かった話ですが、起業時に支援をして下さった水谷社長は南山中高男子部でしたし、行政書士の方も男子部の方でオール南山でした。南山学園の創立記念日が11月1日ですが、会社の登記日も同じです。そういうのもご縁ですね。

Qご縁が起業に影響していますね。起業時に直面した困難はありましたか?

起業するときも起業してからも紆余曲折の連続でしたね。2019年11月の起業時の会社は私ひとりでしたが、2020年の初頭には名大のメンバーが2人入り「仮面就活イベント」を中心に活動していたところ、2020年1月にコロナ禍となりました。早朝から終電まで会議室に集まって、全員無休で“どうしよう”みたいなところから始まりました。 “イベントだけでは駄目だから何をやったらいいか?コロナ禍でイベントをやりませんでは何もできない。後輩が可哀想じゃないか、友達の就活もあるし、なんか自分たちにできることはないか”と考えた時に、“長期インターンシップをオンラインでできたらいい。完全オンラインで安心できるインターンシップができたらいい”というのが最初のアイディアでした。そして2020年5月に、オンラインによるインターンシップの1例目としてスタートしました。緊急事態宣言の中でメディアにもとても注目されました。これが最初の大きな一歩でしたね。

Q経営において特に大切にしていることについて教えてください。

「貢献」を大事にしています。ステークホルダー(利害関係者)は、学生、企業、自治体など、さまざまです。例えば、学生を繋いでいただく学校、メディアの方も当てはまります。そういう方々に支えられているので、私たちは事業運営の中で、“どうしたら相手に貢献できるだろうか、どうしたら喜びが最大値になるのか”ということを常に意識をしています。「貢献」は大きなテーマで、その上で「ご縁」も大切にしています。起業の経緯もそうですし、南山の先輩方には色々なところでお世話になったり、長期インターンシップを経験した学生が卒業後も会社を手伝ってくれたり、そういうのも誠実さあっての事だと思い、大切にしています。

Q横井さんの人間力を感じますね。続いては、会社で必要とされる人材像についてお聞かせいただけますか?

自分で考えて行動できる人だと思います。自分で仮説を立てて行動し、それを確かめて改善し続けていくことは、不確実性の高い時代において重要性が高まっていると思います。あとは、感謝と研鑽を忘れない人ですね。どんな仕事でもどんなことをしていくにも、誰か一人の力でやれるものはありませんから、周りの人への感謝を忘れず、自分自身も高め続けることが大切だと思います。常に探求していける方はどんどん伸びていきますし、私もそんな方と働きたいですね!

Q今後のビジョンや目標を教えてください。

私たちは、「企業・社会」と「学生・若者」とのよりよいコミュニケーションデザインを手がけ、社会に貢献できる企業を目指しています。そのためにも、学生・若者の強み・得意を生かせる事業領域の選択と集中、そしてWEBマーケティングやクリエイティブ領域を専門とする企業との協業を推進し、広報・マーケティングを中心にプロと学生がワンチームで企業の成長を支えて、地域産業に貢献してまいります。多様な人材が活躍できる仕事づくり・街づくりに繋げていきたいと考えており、日本の大学生のみならず、留学生や主婦の方などにも対象を広げていけたら最高ですね。

時代を見据えた素晴らしいビジョンですね。

最後に横井さんの大切な言葉や、南山の後輩たちへメッセージをお願いします。

自分の好きな言葉は、『しあわせはいつもじぶんのこころがきめる』という相田みつをさんの言葉です。

後輩たちへのメッセージは、「好きなことをやってみてください」に尽きます。 学生や子供だからやれることはあると思いますので、周りの目なんて気にせず何かやってみる。“自分がこれいいな”と思うことをひとつ本気で打ち込む。私の場合は、それが委員会や指揮者だったと思います。本気で打ち込めるものを何かをひとつ、勉強以外でも作れるといいと思いますね。

会社をやっていると毎日が波乱万丈の連続です。そんな私のことを「すごいね」「素敵だね」「面白いね」という人もいれば、「大変そうだね」という人もいます。

それでも、自分の幸せは自分の心が決める。

誰が何と言おうとも自分が幸せだと感じることが「私なりの幸せ」だと思うので、すごく自分にフィットしています。人間っていろんなことを感じますが、“自分がそれで幸せだな、いいな。”って思っていることを大切に生きていきたいですね。

編集後記

貴重な休日にお時間をくださり、ありがとうございました。インタビュー後も私たちの子供の話で盛り上がり、横井さんとのお話が絶えませんでした。お話上手な横井さんの優しい人柄に癒され、私たちも楽しく学ばせていただきました。子供たちにも横井さんの生の声を聞かせたいと強く思いました。今後の横井さんの益々のご活躍を楽しみにしています。